ヘブライ語ギリシャ語聖書翻訳研究

ヘブライ語と英語のインターリニア旧約聖書を日本語訳にしています。

ゼパニヤ書2章 翻訳途中

ゼパニヤ書2章

恥知らずな国民よ!集まれ!集まれ!
1 恥知らずの国民よ。こぞって集まれ、集まれ。

命令が、もみ殻のように通り過ぎる日をもたらさないうちに。
主の激しい怒りがあなたたちに臨まないうちに。
主の怒りの日があなたたちに臨まないうちに。
2 昼間、吹き散らされるもみがらのように、あなたがたがならないうちに。主の燃える怒りが、まだあなたがたを襲わないうちに。主の怒りの日が、まだあなたがたを襲わないうちに。

主を求めよ!主の定めを遂行する地上のすべての謙遜な人々よ!
正義を求めよ!謙遜を求めよ!
あなたがたは主の怒りの日に隠されるかもしれない。
3 主の定めを行うこの国のすべてのへりくだる者よ。主を尋ね求めよ。義を求めよ。柔和を求めよ。そうすれば、主の怒りの日にかくまわれるかもしれない。

ガザは捨てられ、アシュケロンは荒れ果て、真昼にアシュドデは追い払われ、エクロンは根こそぎにされる。
4 だが、ガザは捨てられ、アシュケロンは荒れ果てる。アシュドデは真昼に追い払われ、エクロンは根こぎにされる。

海岸の住民、ケレテ人の国民よ!災いあれ!主の言葉はあなたがたに対して下される。
カナンよ!ペリシテ人の地よ!わたしはあなたを滅ぼし、そこに住む者はいなくなる。
5 ああ。海辺に住む者たち。ケレテ人の国。主のことばはおまえたちに向けられている。ペリシテ人の国カナン。わたしはおまえを消し去って、住む者がいないようにする。

そして、海岸は牧場となり、羊飼いの牧場、羊の群れの囲い場となる。
6 海辺よ。おまえは牧場となり、牧者たちの牧草地となり、羊の囲い場となる。

そこはユダの家の残りの者の分となり、彼らはそこで草を食み、夕べにはアシュケロンの家で伏す。彼らの神、主が彼らを覚え、彼らの捕囚を解かれるからだ。
7 海辺はユダの家の残りの者の所有となる。彼らは海辺で羊を飼い、日が暮れると、アシュケロンの家々で横になる。彼らの神、主が、彼らを訪れ、彼らの繁栄を元どおりにするからだ。

わたしはモアブの嘲りと、アモン人のののしりを聞いた。
彼らはわたしの民を嘲り、自分達の国境について高言した。
8 わたしはモアブのそしりと、アモン人のののしりを聞いた。彼らはわたしの民をそしり、その領土に向かって高ぶった。

それゆえ、わたしは生きている。
イスラエルの神、万軍の主の御告げ―
モアブは必ずソドムのようになり、アンモン人はゴモラのようになり、永遠にイラクサの生えた所、塩穴、荒れ地となる。
わたしの民の残りの者はそれを略奪し、わたしの国の残りの者はそれを相続する。
9 それゆえ、わたしは誓って言う。―イスラエルの神、万軍の主の御告げ―モアブは必ずソドムのようになり、アモン人はゴモラのようになり、いらくさの茂る所、塩の穴、とこしえの荒れ果てた地となる。わたしの民の残りの者が、そこをかすめ奪う。わたしの国民の生き残りの者が、そこを受け継ぐ。

彼らは、万軍の主の民を嘲り、高言を吐いたために、高慢になった。
10 これは、彼らの高慢のためだ。彼らが万軍の主の民をそしり、これに向かって高ぶったからだ。

主は彼らにとって恐ろしい存在となる。
主は地のすべての神々を飢えさせ、諸国の島々はみな、それぞれの場所から主を礼拝する。
11 主は彼らを脅かし、地のすべての神々を消し去る。そのとき、人々はみな、自分のいる所で主を礼拝し、国々のすべての島々も主を礼拝する。

エチオピア人よ!あなたたちはわたしの剣で殺される。
12 あなたがた、クシュ人も、わたしの剣で刺し殺される。

主は北に向かって手を伸ばし、アッシリアを滅ぼし、ニネベを荒れ果てさせて、荒野のように乾いた所にする。
13 主は手を北に差し伸べ、アッシリヤを滅ぼし、ニネベを荒れ果てた地とし、荒野のようにし、砂漠とする。

あらゆる種類の獣が群れをなしてニネベの真ん中に伏し、ペリカンやサンカノゴイもその都に宿り、窓からは声が響き、柱は荒廃し、杉材の細工はむき出しになる。
14 その中に、獣の群れ、あらゆる地の獣が伏し、ペリカンと針ねずみはの柱頭をねぐらとし、ふくろうはその窓で鳴き、烏は敷居で鳴く。主が杉でつくったこの町をあばかれたからだ。

これは、心の中で「わたしだけがいる。わたしの他に誰もいない。」と言っていた、喜びにあふれた町である。
それがどうして荒れ果て、獣が伏す場所になってしまったのか。
そこを通る者は皆、口笛を吹き、手を振る。
15 これが、安らかに過ごし、心の中で、「私だけは特別だ」と言ったあのおごった町なのか。ああ、その町は荒れ果てて、獣の伏す所となる。そこを通り過ぎる者はみな、あざけって、手を振ろう。


1 恥知らずの国民よ。こぞって集まれ、集まれ。
2 昼間、吹き散らされるもみがらのように、あなたがたがならないうちに。主の燃える怒りが、まだあなたがたを襲わないうちに。主の怒りの日が、まだあなたがたを襲わないうちに。
3 主の定めを行うこの国のすべてのへりくだる者よ。主を尋ね求めよ。義を求めよ。柔和を求めよ。そうすれば、主の怒りの日にかくまわれるかもしれない。
4 だが、ガザは捨てられ、アシュケロンは荒れ果てる。アシュドデは真昼に追い払われ、エクロンは根こぎにされる。
5 ああ。海辺に住む者たち。ケレテ人の国。主のことばはおまえたちに向けられている。ペリシテ人の国カナン。わたしはおまえを消し去って、住む者がいないようにする。
6 海辺よ。おまえは牧場となり、牧者たちの牧草地となり、羊の囲い場となる。
7 海辺はユダの家の残りの者の所有となる。彼らは海辺で羊を飼い、日が暮れると、アシュケロンの家々で横になる。彼らの神、主が、彼らを訪れ、彼らの繁栄を元どおりにするからだ。
8 わたしはモアブのそしりと、アモン人のののしりを聞いた。彼らはわたしの民をそしり、その領土に向かって高ぶった。
9 それゆえ、わたしは誓って言う。―イスラエルの神、万軍の主の御告げ―モアブは必ずソドムのようになり、アモン人はゴモラのようになり、いらくさの茂る所、塩の穴、とこしえの荒れ果てた地となる。わたしの民の残りの者が、そこをかすめ奪う。わたしの国民の生き残りの者が、そこを受け継ぐ。
10 これは、彼らの高慢のためだ。彼らが万軍の主の民をそしり、これに向かって高ぶったからだ。
11 主は彼らを脅かし、地のすべての神々を消し去る。そのとき、人々はみな、自分のいる所で主を礼拝し、国々のすべての島々も主を礼拝する。
12 あなたがた、クシュ人も、わたしの剣で刺し殺される。
13 主は手を北に差し伸べ、アッシリヤを滅ぼし、ニネベを荒れ果てた地とし、荒野のようにし、砂漠とする。
14 その中に、獣の群れ、あらゆる地の獣が伏し、ペリカンと針ねずみはsの柱頭をねぐらとし、ふくろうはその窓で鳴き、烏は敷居で鳴く。主が杉でつくったこの町をあばかれたからだ。
15 これが、安らかに過ごし、心の中で、「私だけは特別だ」と言ったあのおごった町なのか。ああ、その町は荒れ果てて、獣の伏す所となる。そこを通り過ぎる者はみな、あざけって、手を振ろう。


Gather yourselves together, yea, gather together, O shameless nation;
2 Before the decree bring forth the day when one passeth as the chaff, before the fierce anger of the LORD come upon you, before the day of the LORD'S anger come upon you.
3 Seek ye the LORD, all ye humble of the earth, that have executed His ordinance; seek righteousness, seek humility. It may be ye shall be hid in the day of the LORD'S anger.
4 For Gaza shall be forsaken, and Ashkelon a desolation; they shall drive out Ashdod at the noonday, and Ekron shall be rooted up. 
5 Woe unto the inhabitants of the sea-coast, the nation of the Cherethites! the word of the LORD is against you, O Canaan, the land of the Philistines; I will even destroy thee, that there shall be no inhabitant.
6 And the sea-coast shall be pastures, even meadows for shepherds, and folds for flocks.
7 And it shall be a portion for the remnant of the house of Judah, whereon they shall feed; in the houses of Ashkelon shall they lie down in the evening; for the LORD their God will remember them, and turn their captivity.
8 I have heard the taunt of Moab, and the revilings of the children of Ammon, wherewith they have taunted My people, and spoken boastfully concerning their border.
9 Therefore as I live, saith the LORD of hosts, the God of Israel: Surely Moab shall be as Sodom, and the children of Ammon as Gomorrah, even the breeding-place of nettles, and saltpits, and a desolation, for ever; the residue of My people shall spoil them, and the remnant of My nation shall inherit them.
10 This shall they have for their pride, because they have taunted and spoken boastfully against the people of the LORD of hosts.
11 The LORD will be terrible unto them; for He will famish all the gods of the earth; then shall all the isles of the nations worship Him, every one from its place.
12 Ye Ethiopians also, ye shall be slain by My sword.
13 And He will stretch out His hand against the north, and destroy Assyria; and will make Nineveh a desolation, and dry like the wilderness.
14 And all beasts of every kind shall lie down in the midst of her in herds; both the pelican and the bittern shall lodge in the capitals thereof; voices shall sing in the windows; desolation shall be in the posts; for the cedar-work thereof shall be uncovered.
15 This is the joyous city that dwelt without care, that said in her heart: 'I am, and there is none else beside me'; how is she become a desolation, a place for beasts to lie down in! Every one that passeth by her shall hiss, and wag his hand.


『ゼファニヤ書』
(ゼファニヤしょ、ゼパニヤ書)は『旧約聖書』文書の1つである。
全3章で構成される。
ユダヤ教では「後の預言者」、キリスト教では十二小預言書に分類される。
ハバクク書』の後、『ハガイ書』の前、十二小預言書の中では9番目に位置する。伝統的にゼファニヤが筆者とされる。紀元前7世紀後半ないしそれ以降に成立した。

筆者とされるゼファニヤは「ユダの王……ヨシヤの時代」(『ゼファニヤ書』1:1、以下『ゼファ』と略記『新共同訳聖書』)の人で、「クシの子ゼファニア、クシはゲダルヤの子、ゲダルヤはアマルヤの子、アマルヤはヒズキヤの子」(ゼファ1:1)といわれる。このほかに『聖書』中に筆者についての情報はない。
クシはヘブライ語エチオピアを意味し、ゼファニヤの家系はエチオピアの出であった可能性もある。
これは本文中にクシュ(エチオピア)への非難がなされる一因であるかもしれない。
ヨシヤ(在位紀元前640年頃から前609年頃)の時代という情報を信じるなら、この書は紀元前7世紀後半に書かれたと考えられる。
一方で研究者のなかには、内容から推して、この書の成立をバビロン捕囚以後と推定するものもいる。
さらに、書の成立がユダ王国末期であるにせよその滅亡後であるにせよ、筆者とされるゼファニヤの名前は、修辞上の目的のために借用されただけである可能性を考える研究者もいる。
ユダ王国滅亡後に、筆者が、王国末期の預言者の名前を借りた可能性は論理的には否定されないが、一方でこの推論を決定的にする証拠も見つかっていない。

主な内容としては、諸国とユダに対する神の裁きと、その後の救いの喜びについて語られる。

成立事情
執筆時期
冒頭部の筆者についての言及が、この書の他の部分と同時期に書かれたものであるとして信頼できると考えるなら、ヨシヤ王(在位紀元前640年頃から前609年頃)の名があることから、書の成立はそれ以前には遡らない。
また筆者はエレミヤと同時代人であることになる。
一部の研究者は、『ゼファニヤ書』のユダへの警告から、成立時期をヨシヤ王による宗教改革(『列王記下』23章、いわゆる『申命記』改革)以前と考える。
この改革は紀元前622年に行われた。
この説を採る研究者は、『ゼファニヤ書』1章8節の「高官たちと王の子ら」が、ヨシアが若年で摂政が治めていたことを示唆すると解する。2章の外国の描写も紀元前6世紀の状況を反映する。

ここから、次のように推論される。
おそらくゼファニヤは預言者イザヤと暴力的とされたマナセ王の治世の後にただちに続く世代に属するのであろう。
エレミヤとゼファニヤはヨシア王にヤハウェ崇拝を一神教として振興する改革を進言し、王は実際にそのような改革を行った……。

他の研究者グループは、この書の言語と内容の双方から、紀元前200年前後との関係を見出す。そして、この書の最初期の成立がそれより以前に遡ることをみとめつつ、書の完成を紀元前200年ごろと推定する。

執筆の場所
『ゼファニヤ書』の筆者は、エルサレムを注目すべき詳細さをもって描き出す。
筆者はエルサレム内部の地理とその街の様子を知悉しており、自分の体験として知っていると考えてよいであろう。この本の預言がもっとも直接に関係するのはエルサレムであることからも、この本がエルサレムで書かれたと推論されうる。

執筆の目的
『ゼファニヤ書』の執筆目的には、執筆年代の推定にからんで、二つの説が立てられている。どの説を採る場合でも、第一の目的は、筆者の同時代のエルサレム住民へ(特に宗教的な意味で)行いを改めるべく警告することであったろうと考えられる。

まず、ユダ王国末期にこの書の大部分が成立したと考える場合、筆者の目的はユダの人々をヤハウェ信仰に立ち返らせ、もって神の怒りを逃れせしむることにあると考えられる。ここで預言された滅びの成就は、通常、バビロンによるエルサレム陥落と解釈される。

一方、この書の結構が、ユダ王国滅亡後に現在の姿になったと考える場合、筆者の意図は、バビロン捕囚を神の罰として描き出し、もって現在の状況に警告を与え、再び同じ災禍を繰り返さないように促すことにあると推測される。
この時代に、『ゼファニヤ書』1章が描き出すようなシンクレティシズム(宗教の混交)が、ユダヤで問題になっていたかどうかは、知られていない。

主題と構成
『ゼファニヤ書』はマソラ本文では3章に分けられる。
後世の一部の翻訳では、4章に分けられることがある。

章節    見出し
1:1    (冒頭)
1:2-2:4    主の怒りの日
2:1-15    諸国民の滅亡
3:1-20    エルサレムの罪と贖い
『新標準訳改訂版』(NRSV)のように、これよりさらに細かい分割を行う場合もあり、またそれぞれの区切りそのものについても議論があることを読者は注記されたい。

『ゼファニヤ書』は短い書ながら、滅びの預言と救済の預言の双方を備え、典型的な預言書の体裁を整えている。
『ゼファニヤ書』は『旧約聖書』中、神の怒りの日、「主の大いなる日」のもっとも精細に富む描写を含み、かつ、この怒りの日を生き延びた者たちとの和解と救済についても記している。

1章2節から12節では「ユダの上とエルサレムの全住民」(1:4)が神の怒りを受ける対象として示され、怒りの日、「主の日」は近づいているといわれる。
13節からは、神の怒りが具体的にどのようなものであるかが示される。
『ゼファニヤ書』は『旧約聖書』の他の箇所からの引用や語法の借用に富み、筆者が『聖書』に親しんでいたことが窺われる。
とくに1章2節から3節では、『創世記』の創造の記事とノアの洪水の記事の両方が筆者の念頭におかれているようである。
1章2節から3節で、ヤハウェが「地の面から一掃する」(1:2)と宣言する被造物の順序は、ちょうど天地創造とは逆の順番(『創世記』1:20-27)に配列されている。また、主の怒りにもかかわらず、一定の者が残ることは、ノアの洪水と相似している。

また、『ゼファニヤ書』は『申命記』とも関連をもっている。
『ゼファニヤ書』1章4節から6節の異教を崇拝する者の描写は、『申命記』にある、カナンの地に入る前に、神とイスラエルの民が契約を再び確認したとする記事と関連している。
十戒にある「他の神を拝むなかれ」という戒めとその叛きとして同時代の状況を書き起こすことで、『ゼファニヤ書』筆者は、預言文学一般の主題である「神からの離間とそのことへの警告」を行うだけでなく、律法とイスラエルの歴史全体をふり返っているのである。

また『ゼファニヤ書』には、もちろん他の預言文学からの主題・語法上の影響も認められ、「主の日」のような文書中重要な概念が、他の預言書と共有されている。

『ゼファニヤ書』におけるヤハウェは、もはや他の異教の神と競争する神ではなく、唯一神として描き出されている。
古代のオリエントにとって、神が自分の民への処罰のために異国民を道具として用いることがあるという信仰は極めて新奇なものであったが、『ゼファニヤ書』にはこの観念が認められる。
また、ヤハウェの支配が、イスラエル人だけでなく、他のすべての国民にも及ぶという観念が、『ゼファニヤ書』には現れている。  WIKI より